堀の音楽夜話 2016年6月

アプリ堀の   音楽夜話  【ぷりくら2016/6月号掲載】


 我々バンドマンは、バンド全員で集まって練習する時はリハーサルスタジオを借りるのが一般的です。
僕がメインに使っている四条大宮の「スタジオ 246 」は、綺麗で広くて色んな設備が充実している京都でも最高ランクのスタジオで、特に関心するのはスタッフの接客レベルが非常に高いと言う事。
バンドが到着したら大きな声で挨拶し親切かつ丁寧に案内をしてくれます。
今までそんなスタジオ はどこにも無く、オープン当時それは革命的と言っていいほどの衝撃でした。  
約 20 年前、僕が現役でバリバリ音楽活動をしていた頃のスタジオ事情はというと、フロントのスタッフはだいたい金髪ロン毛の兄ちゃんで客が来ても声をかけられるまでタバコをふかしながらギターを弾くのが当たり前。
待合室には中のスポンジがはみ出したボロボロのソファー。煙草やその他怪しい煙で真っ白の中、ガラの悪いハードロッカー達が下品な話題で盛り上がる。
そんな感じなので電話で予約をしても予約忘れやダブルブッキングしてそうで非常に不安でした。
なんせPCもないカウンターの汚いメモ帳 (裏紙)で予約管理しているのですから。


そんなスタジオである日、事件が起こりました。
予約した時間に到着するとフロントの金髪の兄ちゃんが

「あんたらの予約取れてませんよ」

と言い出したのです。間違いなくうちのボーカルの”佐藤くん”が予約した筈なのに。

予約電話をする様子を僕も隣で見ていたので
「そんな筈はない 」と詰め寄ると
「予約電話があったんは”加藤”さんで”佐藤”さんちゃいます」などとワケのわからん事を言ってからかってきた。
煙草をふかしてニヤニヤしながら言ってくる姿に普段は温厚な僕もついにキレた。

「お前、しょうも ない事言うんもええ加減にせえよ!」

と口論になりお互い ヒートアップしてついには殴り合いにまでなろうかというその時、
後ろから「すんません、予約した加藤ですけど」 と呆けた顔の青年が割り込んできた。
本当に予約していた のはその”加藤”さんでうちの”佐藤”くんは間違って別のスタジオの予約をしていたのでした。  


ごめんなさい金髪ロン毛。

君がそんなにしっかり名字を聞き分けるほどの仕事をしていたとは。人を見かけで判断 してはいけません。

時代は変わり今はそんなトラブルも起こりようの無い安心&クリーンな素晴らしいスタジオばかりです。
でも当時の曖昧かつブラックな雰囲気も「バンドをしている」という実感を持てて良かったような気がしないでもない事はないかもしれない。


 おしまい





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